四国の八十八ヵ所 遍路の成立 代以降の参り方 遍路の「観光化」人数は定かではないが、年間30万人(うち歩き遍路が5000人)ともいわれています

瀬戸内海国立公園

四国 遍路の成立と近代以降の参り方

修行の地、四国

古代から、都から遠く離れた四国は辺地と呼ばれていました。

平安時代頃には修験者の修行の道であり、讃岐国に生れた若き日の空海もその一人であったといわれています。

空海の入定後、修行僧らが大師の足跡を辿って遍歴の旅を始めました。

これが四国遍路の原型とされています。

時代がたつにつれ、空海ゆかりの地に加え、修験道の修行地や足摺岬のような補陀洛渡海(補陀洛山寺#補陀洛渡海)の出発点となった地などが加わり、四国全体を修行の場とみなすような修行を、修行僧や修験者が実行しました。

また、西行の白峰御陵(白峰寺)の参拝、弘法大師遺蹟巡礼や、一遍の影響もあるといわれています。

室町時代には僧侶の遍路が盛んになりました。


四国遍路の成立

江戸時代初期に「四国遍路」という言葉と概念が成立したとされます。

この頃には僧侶だけでなく民衆が遍歴しはじめました。

17世紀には真念という僧によって『四国遍路道指南』(-みちしるべ)という今日でいうガイドブックが書かれています。

手の形の矢印で順路を示した遍路道の石造の道しるべも篤志家によってこの時期に設置され始めたと言われています。

修行僧や信仰目的の巡礼者以外にも、ハンセン病患者などの、故郷を追われた、もしくは捨てざるをえなかった者たちが四国遍路を終生行いました。

また、犯罪やそれに類する行為で故郷を追われた者も同様に居たといわれています。

もっともこれらの者たちも、信仰によって病気が治るのではないかという期待や、信仰による贖罪であったので、信仰が目的であったともいえます。

また、信仰によって病気や身体の機能不全が直るのではないかと一縷の望みをかけ、現代でいう視聴覚障害者や身体障害者が巡礼することも始まりました。

その後、地区によっては一種の通過儀礼として村内の若衆が遍路に出るといったこともあったとされます。


近代における遍路の「観光化」

昭和30年代頃までは「辺土」と呼ばれ、交通事情も劣悪で、決して今日のような手軽なものではなかったようです。

今日でこそその心理的抵抗は希薄になっているが、どこで倒れてもお大師のもとへ行けるようにと死装束であり、その捉え方も明るいイメージではなかったです。

しかしながら、次第に観光化の道を歩み始めました。

近代以降、四国遍路はさまざまな場面で取り上げられることとなりました。

以下は、森正人の『四国遍路の近現代―「モダン遍路」から「癒しの旅」まで』創元社に詳しく紹介されているが、1908年には現在の『毎日新聞』の前身である『大阪毎日新聞』で、四国遍路の巡礼競争が企画された。全国紙での企画ではこれが最初のものであるらしいです。

1930年代には乗り物を用いて、旅館などに宿泊する人々が登場しました。

彼らは「モダン遍路」と呼ばれました。

四国遍路は観光としてみなされたのだったようです。

観光として四国遍路を捉える人々に対して、伝統的な四国遍路を主張する「遍路同行会」が1929年に東京に誕生しました。

ちなみに同書によると、現在のような四国霊場会は昔は存在しなかったが、1910年ごろに小林正盛という人物が組織された形跡があるらしいです。

ただし実質的な活動はしておらず、1942年に善通寺を中心とした「四国八十八ヶ所霊場会」が組織されたのが、四国側での活動組織となっています。

この霊場会の組織に先立って1937年、大阪の南海電鉄によって「四国八十八ヶ所出開帳」というイベントが開かれました。

このとき、それまで全寺院が協力して何かを成し遂げることなどなかったのに、初めて全寺院が団結して出開帳を成功させました。

「この経験が、1942年の霊場会の成立と関わっているのではないか」と、同書は解説しています。


現代

現代においては、従来の信仰に基づくものや、現世・来世利益を期待する巡礼者も引き続き大勢いるが、1990年代後半からは信仰的な発心よりも、いわゆる自分探し、癒しとしての巡礼者が増えたといわれています。

一時期減ったといわれるすべての札所を徒歩で巡礼する歩き遍路も同じころから増えました。

また、バックパッカー的な感覚やトレッキングを楽しむ感覚で遍路をする者も増えたといわれています。

今治明徳短期大学など、四国の大学・短期大学の中には歩き遍路を自分を見つめなおす機会ととらえ、教育課程に組み込んでいる学校もあります。

その人数は定かではないが、年間30万人(うち歩き遍路が5000人)ともいわれています。


posted by tomarigi at 11:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 瀬戸内海国立公園
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